(この記事は4連載の第3回目です。)
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どうも、みとま しんです。
前回記事まで、セゾン・グローバルバランスファンド(以下グロバラ)のメリットをご紹介してきました。
本記事ではグロバラのデメリットについて取り上げます。
2022.3.13 運用管理費用引き下げを反映しました。
セゾン・グローバルバランスファンドのデメリット
グロバラのデメリットは、割高感のある運用管理費用です。
かつては低コストファンドとしてもてはやされていましたが、近年は割高感が目立つようになってきました。
一昔前の水準の運用管理費用
2007年3月15日に設定されたグロバラ。
インデックスファンドによる国際分散投資が、当時としては非常に低いコスト(運用管理費用)で可能な点が売りでした。
しかし現在はコスト面での優位性を失っています。
ここ数年で、インデックスファンドの低コスト化が一気に進みました。
しかしグロバラは、その波に乗ることはできませんでした。
なぜならグロバラを運用するセゾン投信の収益源は、ファンドの運用管理費用のみ。
受益者がコストとして支払う費用がすべてだからです。
これをコスト競争のために削ると、経営が立ち行かなくなってしまいます。
その一方で、コスト0.1%程の超低コストインデックスファンドが台頭しました。
代表的な超低コストインデックスファンド
- ニッセイアセットマネジメントの<購入・換金手数料なし>シリーズ
- 三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズ
運用管理費用は0.1%ほど
それに対し、グロバラの運用管理費用は0.56%です(2022年3月現在)。
0.56%というコストは、日本で設定されているファンド全体で見れば低コストな部類ではあります。
しかし今や、他に安い商品はいくらでもあります。
設定当初のように、低コストを売りにすることはできなくなりました。
運用管理費用が引き下げられる見込みは薄い
言うまでもなく運用管理費用は運用成績に大きく影響します。
個人的には、なんとか0.3%代までは下げてほしいところです。
しかし今後、グロバラの運用コストが納得いく水準に引き下げられる見込みは薄いと見ています。
理由① 投資先ファンドにコスト引き下げの余地がない
これまで何度かグロバラの運用管理費用が引き下げられたことはあります。
ただそれは、基本的には投資先ファンドのコスト低下を反映したものです。
この結果投資先ファンドのコストは極めて低くなりました。
最新の運用報告書によると投資先ファンドの取り分は0.06%。
もはや、コスト低下の余地はほとんどありません。
理由② セゾン投信の取り分は簡単には削ることができない
となると、セゾン投信の取り分からの還元を期待したくなります。
しかしこちらも期待薄でしょう。
セゾン投信は顧客からの運用管理費用が唯一の収入源。
引き下げは経営が苦しくなるため、安易にはできません。
実際、ファンド設定からの15年で、セゾン投信が自身の取り分を削って運用管理費用を引き下げたのは2度だけ。
いずれも引き下げ幅は0.01%と小幅なもの。
ビジネスモデル上、自身の取り分からの顧客への還元には消極的にならざるを得ないようです。
理由③ 運用管理費用の引き下げの優先度が低い
それでは、経営に余裕が出たとして、運用管理費用引き下げの優先度はいかほどか。
残念ながら、その度合いは低いと感じます。
このところセゾン投信は、運用管理費用の低減よりもサービス拡充や広告を優先している節があるからです。
例えば・・・
- 新ファンドの設定(セゾン共創日本ファンド)
- 資産運用相談サービスの開始(セゾン顧客本位の相談室)
- オンラインサロンを開設予定 ※2月20日の運用報告会で中野会長が発言
- ブランドサイトの公開
私としては、これらの新サービスや広告よりも運用管理費用の引き下げを優先してほしかった。
しかし最近の動きを見る限り、その優先度は低いようです。
特段安くもなく、引き下げも難しい運用管理費用は最大の弱点
グロバラのデメリットについてまとめます。
セゾン・グローバルバランスファンドのデメリット
- 運用管理費用に割高感がある
- 今後の引き下げはあまり期待できないと予想
→その分、リターンは確実に削られる
運用管理費用0.56%。
これがグロバラ最大の弱点でしょう。
日本に数多存在するぼったくりファンドよりはマシですが
特段安くはない運用コスト。
そして引き下げの動きも鈍い。
これは大きなデメリットと言えます。