どうも、みとま しんです。
2022年後半。
私は電力会社を切り替えました。
きっかけは、契約していた新電力の値上げです。
電気代高騰のニュースが飛び交う中、ひとまず手を打った。
これでひと安心だと思いました。
ところが数ヶ月後。
電気代の請求書を眺めていると・・・。
「あれ?思ってたより高い気がする?」
・・・直感は当たっていました。
節約のつもりが、私が選んでいたのは割高なプラン。
なぜそんなことになったのか。
契約した新電力の燃料費調整額が高騰したから。
そして、契約プランには燃料費調整額の上限がなかったから。
で、どうしたのか。
大手電力会社の、燃料費調整額に上限のあるプランに再度切り替えました。
電力会社切り替えの時、この「燃料費調整額」に無頓着だった私。
その代償は、割高な電気代という形で支払うことになりました。
少しでも家計を守ろうと電力会社を切り替えたのに、残念すぎです。
今回の記事は私の失敗談から始まります。
そして、しくじりから学んだ電気代高騰への対応策をお話していきます。
こんなことに触れていきます。
- 新電力の電気代が高騰した原因
- 電気代高騰への対応策
- 電力会社選びで気をつけること
こんな方におすすめです。
最近、電気代が高いかも?でもなんで?
新電力の電気代が高騰しているけど、どうすればいいんだろう
失敗しない電力会社選びをしたい
新電力の電気代が想定外の高騰。節約どころか異常に高い請求額にびっくり!
電力会社を切り替えて数カ月後のある日。
電気代の請求書を見て、私はびっくり!
切り替えを失敗したかもしれないと思いました。
前年の同月より大きく電気使用量を減らしたのに、請求額は前年を上回っていたからです。
その月は、前の年と比べて30%も電気使用量を減らしました。
なのに、請求額は前年超え。
電気代を節約するどころか、割高な料金プランを選んでしまったのかもしれない。
そう思った私は、契約した料金プランについて詳しく調べました。
電気代が異常に高い原因は、燃料費調整額の高騰
調べてみて分かったこと。
電気代が高い原因は、料金プランの中の燃料費調整額にありました。
電気代の一般的な料金プランの内訳は、以下のようなものです。
請求項目 | 説明 |
---|---|
基本料金 | プランの最低料金 |
電力量料金 | 使用した電力の量に応じて支払う料金 |
再エネ賦課金 | 再生エネルギー普及のため徴収されるお金 |
燃料費調整額 | 発電に必要な燃料代 |
請求書の内訳を確認すると、燃料費調整額がとんでもなく高騰していました。
当時契約していた新電力のオクトパスエナジーも、電気代が高い理由をこう説明しています。
「オクトパスに変えてみたけど、去年の同じ時期より高くなった」という声も時折いただきます。
引用元:請求書にある燃料費調整額(燃調費)って、一体何のこと?|オクトパスエナジー
こういった場合、去年の同じ時期に比べ燃料費調整額が高くなっているケースが多いです。
私は電力会社切り替えの時、基本料金と電力量料金に気を取られていました。
一方で、燃料費調整額は気にもとめていませんでした。
切り替え後、こうなりました。
- 基本料金は横ばい
- 電力量料金は少し下がった
- 再エネ賦課金はすべての電力会社で同じ(プラマイゼロ)
ここまでは計算通り。
でも・・・
ノータッチだった燃料費調整額が圧倒的に高騰。
電力量料金のわずかなダウンなど、吹き飛んでしまいました。
新電力は自由料金。燃料費調整額の上限がないことが裏目に
燃料費調整額のとんでもない高騰。
ここでまずかったのは、料金プランが自由料金だったことです。
電気料金プランは「規制料金」と「自由料金」の2つに分けられます。
規制料金 | 電力自由化の前から提供されている料金プラン。 大手電力会社の「従量電灯」プランが該当。 燃料費調整額の上限がある。 |
自由料金 | 電力自由化以降に登場した料金プラン。 大手電力・新電力の両方が取りあつかう。 燃料費調整額の上限はない。 |
自由料金の燃料費調整額には上限がありません。
発電の燃料代が高騰すると、どんどん電気料金に転嫁されていきます。
その結果、30%電気使用量を減らしても、請求額アップ・・・という結果に。
切り替え当時は、燃料代がどんどん高騰している状況。
そんな中、燃料費調整額に上限のない新電力(自由料金)を選んだのは判断ミスでした。
新電力の電気代高騰で、いくら割高に支払った?規制料金との比較
燃料費調整額の高騰のさなか、新電力と契約していた5ヶ月間。
大手電力会社の従量電灯プラン(規制料金)を選んでいたらかなり安かったはずです。
燃料費調整額が上限で抑えられますからね。
どのぐらい割高だったか計算してみました。
5ヶ月間で割高に支払った電気代
料金プラン (電力会社) | 5か月間の電気代 | うち燃料費調整額 |
---|---|---|
グリーンオクトパス (オクトパスエナジー) | ¥29,098 | ¥6,226 |
従量電灯 (大手電力会社) | ¥24,920 | ¥1,613 |
差 | ¥4,178 割高 | ¥4,613 割高 |
金額は、オクトパスエナジーからの請求書・大手電力会社の料金プランをもとに算出。
5カ月で4,178円、割高でした。
知りたくなかったかも・・・。
なお、5か月間のうち半分ほどの期間は、ものすごく頑張って節電していました。
例年通り電気を使っていたら、さらに割高になっていたでしょう・・・。
燃料費調整額が高騰する中、自由料金のプランを選ぶと割高になる。
この事実を知らなかったから私は判断を誤り、損をしました。
あなたはぜひ、賢い判断を!
なお、新電力(オクトパスエナジー)を叩く意図はありません。
あくまでも判断ミスで損をした事例をお伝えしたかったのです。
判断ミスとは、高い時期に自由料金を選んでしまったこと。
状況によっては、自由料金のほうが割安になることもあります。
燃料代が高騰していない時期なら、燃料費調整額が規制料金を下回ることもあります。
一律に新電力(オクトパスエナジー)は自由料金で高騰するからダメ!
・・・というわけではないです。
新電力(自由料金)の高騰対策⇒規制料金で様子見
燃料費調整額が高騰すると、自由料金の請求額がえげつないことになります。
新電力や、大手電力会社の自由料金を契約していたら大ピンチ!
そんなときは、大手電力会社の規制料金で様子見するのが良さそうです。
規制料金なら、燃料費調整額が青天井に上がっていくのを防げるからです。
燃料費調整額に上限がある恩恵は絶大です。
たとえば、燃料費調整額がとくに高騰した2023年2月。
大手電力会社の規制料金と自由料金の燃料費調整額を比較してみました。
- 燃料費調整単価(1kWhあたりの燃料費調整額)は、単に「単価」と表記。
- 新電力のオクトパスエナジーの燃料費調整額も調べました。
その結果、大手電力会社の自由料金と同一額だったので割愛します。
(なお、沖縄はオクトパスエナジーのサービスエリア外)
規制料金と自由料金の燃料費調整額を比較
(2023年2月)
電力会社 | 規制料金単価 (円/kWh) | 自由料金単価 (円/kWh) | 単価の差 (円/kWh) | 300kWh 使用時の差(円) |
---|---|---|---|---|
北海道電力 | 3.66 | 10.26 | +6.6 | +1,980 |
東北電力 | 3.47 | 13.81 | +10.34 | +3,102 |
東京電力 | 5.13 | 13.04 | +7.91 | +2,373 |
中部電力 | 5.36 | 12.51 | +7.15 | +2,145 |
北陸電力 | 1.77 | 10.4 | +8.63 | +2,589 |
関西電力 | 2.24 | 11.2 | +8.96 | +2,688 |
中国電力 | 3.19 | 15.63 | +12.44 | +3,732 |
四国電力 | 2.55 | 12.15 | +9.6 | +2,880 |
九州電力 | 1.86 | 8.56 | +6.7 | +2,010 |
沖縄電力 | 3.98 | 19.43 | +15.45 | +4,635 |
表は以下を参考にみとま しん作成。
大手電力10社の燃料費調整額 単価の推移表|新電力比較情報 NPCプラン
2023年2月分の燃料費調整のお知らせ|TGオクトパスエナジー株式会社
自由料金の燃料費調整額はかなり割高。
電気使用量300kWhなら、なんと1ヶ月で1,980~4,635円の差になります。
燃料費調整額の高騰が収まるまでは、規制料金で様子見が得策。
わが家は新電力(オクトパスエナジー)から大手電力の従量電灯プランに切り替えました。
規制料金も値上げ。電気料金のシミュレーションを忘れずに!
ただ、大手電力会社の規制料金に切り替える前にシミュレーションもお忘れなく!
2023年の6月から、多くの大手電力会社が値上げしているからです。
大手電力会社の値上げ状況
値上げを実施 | 北海道、東北、東京、北陸、中国、四国、沖縄 |
値上げせず | 中部、関西、九州 |
まずは大手電力会社のホームページでシミュレーションを。
安くなることを確認して切り替えるのが得策です。
新電力(自由料金)の高騰がいつ収まるかは不透明
規制料金で様子見と言ったって、いつまで待てばいいのでしょうか。
いつ、新電力(自由料金)の高騰は収まるのでしょうか。
その答えは誰にも分かりません。
燃料費調整額が高騰した原因は、世界的な燃料価格の高騰にあります。
燃料が高くなった理由として、資源エネルギー庁は次のように説明しています。
ロシアのウクライナ侵攻にともなうロシア産資源の禁輸措置、新興国のエネルギー需要の高まりなど、さまざまな理由で燃料が高くなりました。これに為替の影響も加わって、日本の燃料輸入価格も高騰。
引用元:2023年6月の電気料金、なぜ値上がりするの?いくらになるの?|資源エネルギー庁
ロシア産資源の禁輸。
新興国のエネルギー需要。
為替。
どれひとつとして先の予測が立ちません。
なので、いつ燃料価格が落ち着くか不透明です。
電気代の高騰が落ち着く時期は、分かりません。
できることは、日ごろから新聞・テレビ・ネットニュースなどを見ておくことぐらい。
平時の燃料価格に戻った報道が出たら、再度自由料金への切り替えを考える。
そんな緩いスタンスで構えておくしかないと思います。
個人的には、規制料金の燃料費調整単価が1円を切ったあたりが切り替え時かなと。
もちろん、当たる保証はありません(笑)
ずっと大手電力のままもアリ。新電力が電気代の高騰を抑えるのは難しい
新電力の高騰で思ったのは、大手電力会社と契約し続けるのもアリだということ。
企業としての体質とか、電源構成の好みなどはさておき。
結局は一番体力のある大手電力が、安定した価格(規制料金)で電気を供給できるからです。
新電力は、平時はいいです。
でも、ひとたび燃料費の高騰が起これば・・・
- 自由料金だから、歯止めなく燃料費調整額が高騰していく。
これは大手電力の自由料金プランでも言えます。 - 体力がないから、基本料金・電力量料金の値上がりも。
- 倒産やサービス終了もありうる。
このリスクを忘れないでおきたいですね。
今後も燃料費が高騰するたびに、あたふたして自由料金⇒規制料金に切り替えるのも手間。
それなら、いっそのことずっと大手電力の規制料金(従量電灯プラン)のままにしておく。
手間もかからないし、大損もしない。
これも一つの判断ですね。
ただし、規制料金はいずれ廃止される予定です。
そうなれば自由料金への乗り換えを検討することになります。
こんなことに気をつけよう!今後の電力会社選び
この先料金プランを切り替える場合、どんなことに気をつければいいのでしょうか。
これからポイントを4つ挙げていきます。
エネチェンジ を使用する前提でお話します。
1.当面、エネチェンジがサポートする料金プランだけでシミュレーション
エネチェンジで電気代シミュレーションをする場合、気をつけることがあります。
それは当面、エネチェンジ と提携した電力会社のみでシミュレーションすることです。
提携中・提携外の会社を混ぜてシミュレーションするとどうなるか。
料金改定後と改定前のプランが混在する可能性があります。
どういうことか。
2023年4月以降、多くの電力会社で料金プランが改定されました。
エネチェンジは提携中の電力会社から、順次料金改定に対応しています。
一方で提携外の電力会社は、現時点では料金改定がシミュレーションに反映されていない場合があります。
提携外の料金プランを含めると正確なシミュレーションができない可能性がある。
だから、提携中の電力会社のみでシミュレーションして切り替え先を選ぶわけです。
提携中の会社だけでシミュレーションするには、こだわり条件で「エネチェンジがサポート」にチェックが入っていればOKです。
通常、はじめからチェックが入っています。
※2023年7月1日時点の状況です。
>>料金改定への対応状況について
【重要】電気料金改定への対応について|電力・ガス比較サイト エネチェンジ
2.こんな言葉が躍るプランは避けるのが無難
料金プランは以下4つの費用から構成されるシンプルなものがいいと思います。
- 基本料金
- 電力量料金
- 再エネ賦課金
- 燃料費調整額
二度言いますが、シンプルが一番です。
今から挙げるような言葉が躍っていたら要注意です。
「市場価格と連動した~」「市場連動型」
電力量料金などが、電力を売買する市場である「日本卸電力取引所(JPEX)」の市場価格と連動します。
市場連動型プランは私なら避けます。
理由は2つ。
- 市場価格が上がると、高額請求となる
- 市場価格の予測が難しく、電気料金の目安が予測できない
私たちは必ず電気を使います。
月々必ずかかる経費がいきなり爆騰したり、まったく予測不能では困ります。
価格を予測しづらいので、そもそもシミュレーションの精度も低いです。
積極的に手を出す必要はありません。
「電源調達調整費」
燃料費調整額だけでは電気の調達コストを転嫁でない電力会社が独自に導入した費用。
要は、燃料費調整額だけでは会社が持たないので上乗せされる費用です。
燃料代を燃料費調整額だけでまかなうプランより高くなりがちです。
さらに、電源調達調整費は市場連動します。
ということは・・・高騰リスクが高く、請求額は不安定です。
やはり、電源調達調整費を含むプランも避けたいところです。
「燃料費【等】調整額」
一瞬、燃料費調整額と間違えてしまいそうです。
でもよく見ると【等】がついています。
契約内容を確認すると・・・。
「燃料費調整額」と「電源調達調整費」をまとめて「燃料費【等】調整額」と呼んでたりします。
電源調達調整費のある料金プランは高コスト・ハイリスク。
「燃料費【等】調整額」が含まれるプランは切り替え候補から外します。
余談ですが、「等」という言葉は使う側にとって便利なワード。
電気代の料金プランに限らず、です。
読み手として発見したら警戒する必要がありますね。
3.将来的な料金プランの改定が決まっていないかチェック
契約中のプランや切り替え候補のプランに、将来的な改定の発表が無いかチェックしておいたほうが良いです。
というのも、シミュレーションに使われるのはあくまでもその時点での料金プラン。
将来の料金プラン改定は反映されていません。
切り替え元(または切り替え先)の料金プランに改定予定がある場合、改定後は節約額がシミュレーション結果から乖離するので要注意です。
また、改定からシミュレーションへの反映にはタイムラグがあります。
もし候補のプランに直近で改定があった場合、反映状況を確認したほうがいいです。
>>料金改定への対応状況について
【重要】電気料金改定への対応について|電力・ガス比較サイト エネチェンジ
4.切り替え先のプランの燃料費調整単価をチェック
多くの新電力は、大手電力会社と同じ燃料費調整単価を設定していると言われています。
そのせいか、エネチェンジ
のシミュレーションは燃料費調整単価が一律で計算されます。
(上限が設定されている場合は反映されます。)
※2023年7月8日時点の仕様です。
計算に使われた燃料費調整単価はシミュレーション結果の一番下に表記されています。
以下のような文言です。
電力・ガス自由化対応「エネチェンジ電力比較」利用上のご注意
引用元:電気料金プラン比較シミュレーション結果|エネチェンジ電力比較
(中略)一部プランを除いて電気の燃料費調整単価は〇〇円/kWhとして計算しています。
※太字部分は、実際は色を変えて強調表示されています。
しかし実際には、大手電力と燃料費調整単価が異なる料金プランも存在します。
候補となるプランの実際の燃料費調整単価が、計算に使われた単価より極端に高くないか。
念のため、電力会社のHPで確認を。
シミュレーションに、実際の燃料費調整単価が反映されたらラクでいいんだけどなぁ・・・!
エネチェンジさん、よろしくお願いします。
>>電気代をシミュレーションしてみる
エネチェンジ
電力会社の切り替え手順
切替は3ステップで完結します。
- 切り替え先の電力会社に申し込み
エネチェンジ のようなシミュレーションサイトや電力会社HPで! - スマートメーターへの交換(未設置の人のみ)
- 契約開始
>>詳しくはこちら
電力会社を切り替えるには?|資源エネルギー庁
まとめ:新電力の電気代が高騰して節約失敗!大手電力の規制料金で様子をみることに
契約していた新電力の料金プランが高騰したわが家。
その原因は、以下の2つでした。
- 燃料費調整額の高騰
- 自由料金だった
(燃料費調整額の上限がない)
燃料費が高騰している状況では自由料金は不利。
これに気づき、わが家は大手電力会社の従量電灯プランに切り替えました。
しばらくは様子見です。
今後、燃料費調整額の高騰が落ち着いたらどうするか。
- 安定価格を期待して大手電力会社の規制料金のまま
- コストカットを求めて新電力(自由料金)へ切り替え
どちらもアリだと思います。
切り替えを検討する場合に注意することは4つ。
- 1.シミュレーションの設定
-
料金プランの改定が反映されるまでは、エネチェンジがサポートする料金プランだけでシミュレーションを。
- 2.要注意のワード
-
「市場連動型」、「電源調達調整費」、「燃料費【等】調整額」
- 3.将来的な改定が決まっていないか
-
シミュレーションは将来のプラン改定を織り込んでいません。
- 4.実際の燃料費調整額をチェック
-
大手電力と異なる燃料費調整額を設定している新電力もあります。
今回はここまで。
一度は切り替え失敗しましたが、振り返れば学びが多かったです。
いい経験になりました。
あなたの電力会社選びのお役に立ったらうれしいです。
>>電気代をシミュレーションしてみる
エネチェンジ