どうも、みとま しんです。
衝撃的なニュースが飛び込んできました。
10年以上前からお世話になっているセゾン投信。
その創業者であり会長である中野晴啓氏の退任人事が決定したとのことです。
ソースを貼ります。
セゾン投信、中野晴啓会長が退任 経営路線の対立で更迭か|47NEWS(よんななニュース)
>>中野会長退任について、セゾン投信公式からも発表がありました。
一部報道について | セゾン投信
一部報道について-お客さまに向けたメッセージ- | セゾン投信
※2023年6月1日現在
中野氏はセゾン投信の中心人物です。
顧客からの信頼も厚い。
そんな人が、なぜ辞めることになったのでしょうか。
そして私自身、これからの積立投資をどうするか。
考察してみます。
※多分に個人の主観が入った意見・考察であることをお含みおきください。
セゾン投信にとっての中野晴啓氏
世の中の「ふつうの人」のために。
顧客本位の堅実な資産運用をするセゾン投信。
中野氏はその中核、いや会社そのものと言ってもいいでしょう。
中野氏はセゾン投信を創業しました。
作り出した社風は、顧客に対して誠実であることを第一の価値観とするものでした。
さらに中野氏は、長期投資に耐えうる優れたファンドを作りました。
私にとってはセゾン・グローバルバランスファンドがそうです。
10年以上、このファンドだけを積み立てています。
誠実な社風の運用会社と優れたファンドを、中野氏が作り出しました。
それを評価する顧客が集まりセゾン投信は成長しました。
2023年4月現在、顧客は15万人以上。
私もそのひとりです。
セゾン投信は、中野晴啓氏を中心に顧客本位の資産運用会社として成長してきました。
なぜ?中野氏がセゾン投信の会長を退任する理由
そんな中野会長が退任する理由は何でしょうか。
報道によると、親会社クレディセゾンとの経営路線の対立が原因のようです。
ソースの記事から引用します。
関係者によれば、顧客本位で堅実な積み立てを目指す中野氏に対し、親会社クレディセゾンの林野宏会長がセゾン投信の投資信託の販売拡大を主張し、路線対立があったという。事実上の更迭とみられる。
引用元:セゾン投信、中野晴啓会長が退任 経営路線の対立で更迭か|47NEWS(よんななニュース)
2023年5月31日の取締役会で退任人事が決定。
同6月28日の株主総会で、退任が正式決定するようです。
セゾン投信の顧客にとって、クレディセゾンは悪者だと言い切れないかも
事実上の更迭とみられる今回の人事。
私は思いました。
セゾン投信を成長させ、顧客から絶大な信頼を得ている中野会長をなぜ辞めさせるの!
中野会長がトップだから安心して資金を預けられる人も大勢いるだろうに!
セゾン投信から顧客が離れてしまうよ!
まるでクレディセゾンが悪者のように思えてきます。
しかし、ひと呼吸置いてみるとクレディセゾンの言いぶんも分かる気がしてきました。
セゾン投信の優位性を復活させることが、クレディセゾンの狙いだとしたら
ここからは私の推測です。
クレディセゾンは、ここ数年弱まったセゾン投信の優位性を回復させたいのかもしれません。
弱まっていた優位性とは、ファンドの運用管理費用(運用コスト)の低さです。
もし今回の人事が、それを狙っているのだとしたら。
クレディセゾンを一方的に悪者だと決めつけることはできません。
クレディセゾンは、今のコスト水準ではセゾン投信は先細りだと判断したのかも
創業当初、セゾン投信のコストは他社と比較して相当低いものでした。
(とくにセゾン・グローバルバランスファンド。)
でも状況は変わりました。
2018年に始まったつみたてNISAをきっかけに、経営体力に勝る大手運用会社は超低コストのファンドを設定しました。
セゾン投信は現状、そのコスト水準に太刀打ちできていません。
多くの生活者は、お金を殖やすために投資をします。
厳しい経済状況の中、自助努力で資産を形成しようとする思いは切実です。
ファンドのコストは、確実にお金が殖えるのを妨げます。
だから多くの人は、低コストなファンドを切実に求めます。
セゾン投信には長年かけて培った信頼感があります。
でも、会社への愛着だけで顧客をつなぎとめることはできません。
ファンドに割高感を覚えて見切りをつける人もいるでしょう。
セゾン投信にとっては残念なこと。
だけど、自然なことです。
今のコスト水準のままでは、セゾン投信は先細りしてしまう。
親会社のクレディセゾンはそこに危機感を覚えたのではないでしょうか。
クレディセゾンと中野会長の考え方の違い
セゾン投信の先細りを防ぐため、どんな手を打つか。
クレディセゾンはこう考えたのでは。
- 販路を拡大してファンドの純資産総額が積みあがるペースを上げる。
- ファンドの規模が拡大すれば運用管理費用を引き下げられる。
- ファンドの競争力を回復し、受益者をつなぎとめられる。
しかし中野氏は販路拡大には消極的だった。
クレディセゾンはこれ以上待てず、中野会長を更迭したのかもしれません。
くりかえしますが、ここまで書いたことは推測です。
だけど、もしこの推測が当たっているとしたら。
セゾン投信の受益者としては、クレディセゾンの考え方は理解できます。
単純にクレディセゾンを悪者にできないなと思います。
中野会長の方針も理解できる
もちろん、中野会長の方針も理解できます。
顧客本位で堅実な積み立て投資を目指すこと。
その結果セゾン投信も繁栄する。
とてもまっとうなものです。
顧客の運用がうまくいくよう、セゾン投信はいろいろな取り組みをしています。
- 長期投資に耐えうる、比較的低コストで普遍的なファンドを運用する
(セゾン・グローバルバランスファンド) - 会長をはじめ、ファンド運用者や社員が顔を出して信頼を得る
- セミナーや動画、メディア記事で自社やファンドの哲学への理解を深めてもらう
- 長期・分散・低コストなど、まっとうな資産形成のための情報発信を行い、顧客に正しい投資行動を促す
資産形成は、長期にわたります。
長期投資の旅で迷うこともあるでしょう。
例えば・・・
信頼して資金を託せそうかな。
購入しているファンドはどんなものだろう。
長期投資って、そもそも何?
相場が荒れて不安・・・。
そんなときセゾン投信は
- 運用者が顔出しで責任を持ってファンドを運用してくれます。
- 初心者にも分かりやすくファンドについて教えてくれます。
- 繰り返しくりかえし何度でも、長期投資の説明をしてくれます。
- 相場との向き合い方をレクチャーしてくれます。
そして少しずつ、少しずつ。
受益者は投資家として成長していきます。
- 結果として顧客は粘り強く積み立て投資を続けることができます。
⇒お金が殖える確率が高まります。
- セゾン投信は積み立てによって資金流入が続き、運用が安定します。
⇒顧客のリターンが増え、収益が増えていきます。
良質なファンドを準備し、顧客への誠実さとまっとうな情報発信を売りにするわけです。
顧客本位の堅実な積立投資で、セゾン投信と顧客の両方が幸せになる。
これが中野会長の目指すスタイルと言えます。
販売拡大のリスク
クレディセゾンはファンドの販売拡大を主張しています。
販売経路を増やせば、ファンドの純資産総額が増えることが期待できます。
うまくいけばコストを下げることができるでしょう。
ですが、リスクもあります。
損をする顧客が増えるかもしれません。
いたずらに販路を拡大した場合。
根気に欠け、まずい投資行動をとる顧客が多くなるからです。
販路をやみくもに増やすことによって起こること。
それは・・・
- 運用者の顔が見えづらくなり、信頼を得にくくなる
- セゾン投信やファンドの哲学への理解が浅くなる
- 顧客のための情報発信で正しい投資行動を促すことが難しくなる
さきほど挙げたセゾン投信の取り組みの効果が薄れるわけです。
セゾン投信の実像や顧客へのメッセージが届きにくくなる。
すると誤った投資行動をとってしまう人が一定数出るでしょう。
例えば高い時に調子に乗って買い、安い時に怖くなって売ってしまう。
それでは大切なお金を殖やすことはできません。
むやみに販路を増やすと、セゾン投信発の情報が顧客に届きにくくなります。
信頼感も感じにくくなり、投資家としても未熟なまま・・・。
長期投資に挫折する顧客が増えなければいいのですが。
ほかにも、運用の安定性が下がるリスクもあります。
以下の要因でファンドへの資金流出入が安定しなくなるからです。
- 相場が荒れると解約する人が大きく増える
- ファンドの資金流出入が販売会社の意向に左右されやすくなる
中野会長がむやみに投信の販売を拡大しないのも、このデメリットを考えてのことだと思います。
まとめ:中野会長の退任に衝撃。セゾン投信、どうしよう
今後もセゾン投信での積み立てをつづけるか、それとも・・・。
今は答えを出すことができません。
しばらく、頭の整理をする時間が必要です。
まさかこんなことが起こるなんて夢にも思っていなかったので。
いろいろと考えることはありそうです。
ここまでクレディセゾンや中野会長の思惑を考えてみました。
でも本当のところは分かりません。
そしてこれからセゾン投信はどう変わっていくんだろう。
見当もつきません。
私は10年以上、セゾン・グローバルバランスファンドを積み立ててきました。
その積み立て歴の中でセゾン投信は今、もっとも大きく揺れています。
これからどうしようか。
今の私の正直な気持ちです。